EP-40でダブを知って、King TubbyやLee Scratch Perryを聴き始めた。最初はSpotifyで聴いていた。でもある夜、「この音楽はレコードで聴かないといけない気がする」と思った。根拠はない。でも確信があった。それが中古レコードを掘り始めたきっかけだ。
なぜレコードなのか
ダブは1970年代のジャマイカで、アナログの機材とアナログのテープで作られた音楽だ。その音をデジタルに変換して、圧縮して、スマホのスピーカーで聴くのは、なんか違うと思った。
実際にレコードで聴いてみて、その感覚は正しかった。低音の重さが違う。空気が振動している感じがある。ダブの「音が溶けていく感覚」は、レコードのほうが圧倒的にわかりやすく出てくる。
ただ、これは「レコードのほうが音質が良い」という話とは少し違う。測定値の話ではなく、音楽の文脈に合った再生方法がある、という感覚の話だ。ダブにとってのレコードは、単なる記録媒体じゃなくて、音楽の一部だと思っている。
まずターンテーブルを用意した
レコードを聴くには当然ターンテーブルが必要だ。中古で探すか新品で買うか迷ったが、最初の1台は新品にした。理由はシンプルで、「中古のターンテーブルで針が壊れてるとレコードを傷つけるリスクがある」からだ。レコード自体は中古で安く買っていくつもりだったので、再生機材だけは確実なものにした。
選んだのはAudio-TechnicaのAT-LP60X。入門機の定番中の定番で、フルオートでターンテーブルが動くので扱いが簡単だ。フォノイコライザー内蔵なので、これ単体でアンプかスピーカーに繋ぐだけで音が出る。価格は2万円台。レコードプレーヤー入門としては最もコスパが高い選択肢だと思う。
スピーカーは持っていたPC用のアクティブスピーカーを流用した。本格的なオーディオ環境じゃなくても、ダブの低音はちゃんと体に来る。最初は「どうせ聴けりゃいい」くらいの気持ちでいい。
中古レコードの買い方
ターンテーブルが届いた翌日、さっそくレコードを探し始めた。ダブ・レゲエのレコードを日本で探す場合、主な選択肢はこのあたりだ。
ディスクユニオン
中古レコード専門店の最大手。渋谷・新宿・吉祥寺など主要都市に店舗がある。ジャマイカ音楽やレゲエのコーナーが充実していて、状態のランク付けもしっかりしている。価格は500〜3,000円が中心。オンラインショップもある。
ハードオフ
ジャンルに詳しくない人が持ち込んだレコードが安く眠っていることがある。ダブのレコードは需要が限られるので、知らずに安値で出ていることも。100円〜500円のコーナーを粘り強く漁る。掘り出し物を見つけた時の快感は格別だ。
メルカリ・ヤフオク
レア盤や特定のアーティスト盤を探すなら便利。ただし状態の確認が難しいので、出品者の評価と写真を慎重に見る。「盤面に目立つキズなし」「再生確認済み」の記載があるものを選ぶ。
Discogs(ディスコグス)
世界最大のレコード売買サイト。英語だが使い方はシンプルで、アーティスト名かアルバム名で検索すると世界中の出品が並ぶ。海外からの送料がかかるが、日本では入手困難なレコードも手に入る。ダブのオリジナル盤を探すなら必須のサイトだ。
レコードの状態確認、最低限これだけ見ろ
中古レコードを買う際に確認すべきポイントは3つだ。
① 盤面のキズ
光に当てて傾けて見る。細かいスレ傷は音飛びにはならないことが多い。深い直線的なキズは要注意。一度針が引っかかると音飛びする。
② カビ・汚れ
白い粉や黒いシミがある盤はカビの可能性がある。再生前に専用クリーナーで拭けば改善するケースも多い。ただしひどいカビは音質に永続的なダメージを与えていることがある。
③ ジャケットの状態
音には直接関係しないが、状態が良いとコレクションとしての価値が保たれる。「盤はVG+、ジャケはG」のような表記に慣れると買いやすくなる。VG(Very Good)以上なら通常再生に問題ない。
最初に買った3枚
実際に最初に手に入れたレコードを紹介する。
King Tubby Meets Rockers Uptown / Augustus Pablo
ダブの入門として最も定評がある一枚。ディスクユニオンで1,500円で見つけた。盤面の状態はVGで、ノイズはほぼ気にならないレベル。ターンテーブルに乗せた瞬間から「あ、これだ」と思った。
Super Ape / Lee “Scratch” Perry & The Upsetters
メルカリで800円。国内盤のリイシュー。音質的にはオリジナルより落ちるが、気軽に聴けるのでヘビロテしている。ジャングルの環境音から始まる冒頭が特徴的で、かけるたびに気分が上がる。
Africa Must Be Free By 1983 Dub / Hugh Mundell & Augustus Pablo
ハードオフで300円。ジャケットがボロボロだったが、盤面は奇跡的にきれいだった。ダブとルーツレゲエが混ざった渋い一枚で、これを300円で手に入れたときは思わず笑った。
レコードを掘る、という行為そのものが楽しい
Spotifyで聴けばいい、というのはその通りだ。でも中古レコード屋で棚を一枚一枚めくって、知らないアーティストのジャケットに目が止まって、裏のライナーノーツを読んで、「これは何者だ?」と思いながら買って帰る。その一連の行為が好きになってしまった。
音楽を「消費する」のではなく「掘る」という感覚。EP-40がなければ知らなかった感覚だ。ガジェット一台が入り口になって、ジャマイカの70年代音楽にたどり着いて、週末に中古レコード屋を巡るようになった。人生はどこからつながるかわからない。
まず1台、ターンテーブルを置いてみてほしい
レコードを聴く生活は思ったより敷居が低い。ターンテーブル2万円台、レコード1枚500円〜。始めるだけなら3万円あれば十分だ。
一度レコードに針を落とした時の「プツッ」という音と、そこから始まる音楽の質感は、スマホとは全然違う体験だ。ダブ・レゲエに限らず、どんな音楽でも試してみる価値がある。
入門ターンテーブルはこれ一択
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